
Music atelier とは
「音に命あり、姿なく」
私の恩師である故・鈴木鎮一先生がいつも言われていた言葉です。
ヴァイオリンで最も大切なことは美しい音を奏でること。
そのためには演奏技術を習得すると同時に、自分の考えを持ち、
感性を磨き、人間として成長して行くこと、
そして何よりも 音楽を楽しむと言うことです。

私は鈴木先生の教えを元にヴァイオリン奏者として
ドイツ、ミュンヘンのバイエルン放送交響楽団を基盤として
世界的指揮者やソリスト達と40年以上活動して来ました。
またドイツ、オーストリアで、子供達が弦楽器を通して様々な事を学ぶ場として
オーストリアの『アレグロ・ヴィーヴォ』子供コースを立ち上げ、
ドイツでも『ミュージック・アトリエ』を毎年主宰して来ました。
合宿生活をすることで印象的な事は、技術の高い、低いに関係無く、
どの子供達もそれぞれ自分の思考に基づいた『言葉』を持ち
演奏でそれを表現する感性が育って来る事です。

それと並行し、将来楽器と密に付き合い、プロを目指す人達の為に、室内楽講習会にも力を入れています。
楽曲の読譜力、音楽の構成を学び、音のバランス感覚を磨きながら交流能力を磨く事により、延いては
オーケストラ奏者の基礎である事も認識する目的で、オーケストラスタディーも学べる育成を目指しています。
近年日本とドイツを往き来し、若い音楽家の育成に務めて来ました。
その中で日本の子供、若者達が技術だけで無く、
自分の感性や思考を磨きながら表現したいことを、
もっと自由に演奏出来る能力や環境を作りたいと感じています。

『ミュージック・アトリエ』はヨーロッパで音楽を共にして来た仲間達を
講師として迎える事も視野に入れ、
ヴァイオリンを習いたい子供達からプロを目指す方々に
個人指導、合奏、アンサンブル、種々なワークショップを提供し
心のゆとりを持って音楽を心から楽しめるよう、
そして、美しい音を出せるように育成して行きます。
『愛に生きる」恩師の言葉を心に刻んで!

水島 愛子
Aiko Mizushima
元バイエルン放送交響楽団 第一ヴァイオリン奏者
3歳より中村太郎、鈴木鎮一両氏の下でヴァイオリンを始める。
その後、宗倫安氏に師事。
桐朋学園大学音楽部弦楽科を卒業後、ウィーン国立音大にて
専科を Edith Steinbauer、Franz Samohyl に、室内楽を Alfred Staar に師事。
同大学を全員一致の最優秀で卒業。
1971年 Josef Haydn 国際弦楽四重奏コンクール(ウィーン)にて
プリマリウスを務め一位入賞、
同年 J.S.Bach国際コンクール(ライプチッヒ)ヴァイオリン部門 特別賞受賞。
ニュールンベルク響、ミュンヘン室内合奏団を経て、
1976年~2010年迄バイエルン放送交響楽団・第一ヴァイオリン奏者を務める。
1984~1996年 サイトー記念に参加。
2011年~2018年 東京音楽大学にてオーケストラ、室内楽の客演教授を務める。
2011年~2022年 兵庫県芸術文化センターオーケストラ、
ミュージックアドヴァイザーとして入団オーディション、メンバーの指導や
サポート、海外演奏家の斡旋やサポートを担当。
子供の指導に特に力を入れており、オーストリアで行われている音楽祭
“Allegro Vivo”では、創設当時より子供コースを開設。
2001年よりミュンヘン近郊でも音楽夏期講習 “music atelier für Kinder”を毎年開催。
2017年よりドイツ Villa Sawallischにて室内楽講習会 開催。
2018年より全日本ジュニア•クラシックコンクール全国大会審査員を務める。
2020年(令和2年)兵庫県文化功労表彰を授与。